ミネラル

 最近、わたしたちのミネラル不足が問題視されています。

 その背景には、日本人が昔から食べていた野菜や穀類、海藻類などの摂取量が減ってしまったという食生活の変化の影響があるようです。

 鉄分不足の鉄欠乏性貧血やヨウ素不足による甲状腺腫、有害ミネラルの中毒症状なら明らかな異常とわかりますが、そうでない微量なミネラルの不足や欠乏は、はっきりした症状がでてこないまま慢性的な欠乏が続き、いつしか重大な事になってしまいます。

 なかでもマグネシウムはエネルギーを生産する酵素を直接コントロールするなど、352種類もの酵素と関係があります。

 このたった一種類のミネラルが不足しただけで、実に様々な代謝異常が起こります。

 また、亜鉛やセレンは細胞をサビさせる原因となる活性酸素の除去をする酵素に必要なミネラルなのです。

 このようにミネラルが全般的に不足すれば、エネルギーの合成も含めて身体中の酵素の活動レベルが低下して体調不良になって当然なのです。

 しかし、この明白なミネラルの重要性が現代の医療現場ではまったく認識されていないのです。

○いつも眠い。
○ちょっとしたことでイライラしやすい。
○からだがだるく、すぐ疲れる。無気力。
○頭がよく痛む。
○風邪をひきやすい。ひくと治りにくい。
○筋肉が硬い。よくけいれんしたり、つったりする。
○血圧が高い。心臓が弱っている。動悸、息切れがする。
○脂質はあまりとらないのにコレステロール値が高い。

 これらが当てはまるような人は慢性的なミネラル不足と思っても間違いありません。是非ミネラルを補給してください。
主なミネラルの働きと欠乏症
ミネラル名
体内での働き 欠乏症 多く含まれる食品
カルシウム
(Ca)
骨や歯を作る、神経の興奮・筋肉の収縮を調整、血液の凝固作用に関係 骨粗鬆症、骨軟化症、骨格筋・心筋障害 小魚、大豆、緑黄色野菜
マグネシウム
(Mg)
エネルギー代謝に関与、遺伝情報を司る核酸の維持に必要、刺激による神経の興奮性を調整、ビタミンの活性化に作用 循環器疾患、神経過敏、抑うつ症、精神錯乱、尿路結石 大豆、緑黄色野菜、海藻類、米ぬか
亜鉛
(Zn)
酵素に含まれ物質代謝に関与、核酸・たんぱく質の合成に関与、傷の修復に有効 動脈硬化促進、皮膚炎、味覚障害、免疫機能低下 カキ、貝類、レバー、豆類、種子類

(Fe)
ヘモグロビンの構成成分となり酸素の運搬を行う 鉄欠乏性貧血、舌炎、口角炎、体温調節異常 レバー、ひじき、緑黄色野菜
セレン
(Se)
活性酸素を消去する酵素の構成成分として細胞の酸化を防ぐ、水銀などの毒性を軽減 心筋障害、ガンのリスクを高めるという報告もある ごま、穀類、豆類、魚介類
クロム
(Cr)
血糖値を正常に保つ作用、糖尿病を予防する作用が期待される 高血圧症、心筋障害 ハマグリ、鶏肉、卵、バター、こしょう